1. サブリースとは
サブリースとは管理委託契約の1つであり、不動産オーナーが賃貸管理会社に保有物件を貸し出し、賃貸管理会社から家賃(サブリース料)を受け取るという契約のことです。
2. サブリースのメリットとは?
■毎月の家賃収入が安定する
入居者と直接賃貸借契約を交わしている場合、空室があれば収入の減少に直結するリスクがあります。しかしサブリース契約には家賃保証があることから、たとえ延滞や空室があったとしても一定の賃料を安定して得ることが可能です。
常に空室の不安が付きまとう賃貸経営において、サブリース会社の家賃保証などにより毎月一定の収入を確保できるという安心感を得ることができます。
■広告料などの負担が軽減される
サブリースでは、入居者募集のための広告料もサブリース会社が支払うケースが多く、オーナー側の負担が軽減されています。
賃貸経営において、入居者の方が入居・退去を行うと多くの費用が発生します。主に入居者の入居が決まった際に仲介業者に支払うことになる広告料や、退去後に部屋をキレイにする際の原状回復費やメンテナンスの費用が発生しますが、サブリース会社が負担する場合もあります。
入退去が生じる度にかかるこうした費用は、オーナー側にとって負担となりやすいですが、サブリースを利用することで費用を抑えることができます。
■管理運営を一任できる
賃貸経営においては、さまざまな管理事務が発生します。(入居者募集、集金、契約更新、退去、入居者との対応、建物メンテナンスなど。)
サブリース契約では不動産管理会社がそうした管理事務をすべて行うため、オーナーの負担を軽減することが可能となります。
■確定申告をシンプルにできる
オーナーが支払う経費は減価償却費と固定資産税、金利程度です。
収入もサブリース会社からの毎月1回のみ。サブリース会社が毎月作成する収支報告を見ながら確定申告を行えることから、税金の計算にかける時間を大幅に短縮できます。その結果、確定申告の手間を大幅に省くことができます。
3. サブリースのデメリットとは?
■家賃収入から手数料が引かれる
毎月の家賃収入が安定することがサブリースのメリットの一つですが、不動産管理会社がオーナーと入居者の間に入るため、オーナーの手元には料率分を差し引いた家賃の80~90%だけが入ってくることになります。
満室になっても賃料を100%受け取ることはできないため、満室になりやすい物件では、サブリースよりも管理委託の方が賃料収入は多くなる可能性が高くなります。そのため、立地や築年数などの条件を考慮したうえで判断することも大切です。
■入居者を選べない
サブリース契約では入居付けも不動産管理会社で行うため、オーナーは物件の所有者でありながら「入居者を選べない」「どのような入居者が入っているのかがわからない」という不安を感じることがあります。
また、サブリースが終了した後は、サブリース期間中に入居付けされた入居者とオーナーは付き合いをしなければなりません。
■免責期間がある
免責期間とは、入居者が退去した後に空室となる一定期間は、不動産会社はオーナー側に賃料を支払う必要がない期間を指します。サブリースは入居者が決まるまで、原状回復費や広告費などを使って営業活動を行う必要があるため、収益のバランスを確保するために免責期間を設けている場合があります。
通常、この期間は1か月~半年程度で設定されています。この間はサブリース契約でも家賃収入を得ることができないので注意する必要があります。
■保証賃料の見直しがある
安定して家賃収入を得ることができるサブリースですが、サブリースの保証賃料が見直され、賃料収入が減少する可能性もあります。一般的なサブリースは2年の契約更新となり、同じタイミングで保証賃料の見直しが行われます。その際に入居者が支払う家賃が減少していれば、保証賃料も減少してしまいます。
この賃料見直しは、サブリースにおけるトラブルの要因となりやすく問題視されています。実際に「10年間家賃を下げない」としながらその会社の経営悪化を理由にオーナーに賃料減額を求めたことで訴訟にまで発展したケースもあります。
■サブリース会社が倒産するリスクがある
サブリース契約を交わした不動産会社が倒産した場合、本来であれば不動産会社が行うべき物件の管理業務や運営業務を全て物件オーナーが行う必要があります。また、サブリース会社が倒産してしまうと、支払われなかった賃料は回収できなくなってしまうので、オーナーとしては大きな損失を被ることになります。
4. まとめ
本記事ではサブリースのメリット・デメリットを紹介いたしました。サブリース契約はメリットもありますが、デメリットもあるため注意が必要です。
契約する前にサブリース会社や契約内容について理解しておくことが大切です。