エリア選定と融資の関係は?
多くの間違いは、物件探しから入ってしまうために起こります。高利回り物件を買いたいということで、インターネットで物件を探すと地域が限られる傾向にあります。
そして、この物件に対して、融資可能な銀行は限られてしまうのです。本来であれば、その投資家の資産背景、属性によって使える銀行は変わりますが、初めから一つの銀行に絞られてしまうのは、今後の買い進めに影響が出ます。不動産投資は事業です。事業には、どのように進めていくのかという戦略が必須です。
つまり、最初に融資戦略をしっかり立てることが肝要なのです。その融資戦略を考えると、立地に関しては銀行によって絞られてきますので、「このエリアに投資したい!」というこだわりはなくてもいいということです。
どちらにせよ、必ず市場調査を行うところからはじめるのが基本です。ある一定の地域に絞って物件を取得している場合のデメリットをいえば、地方銀行によっては、その資産の半数以上を所有している地域をメインの活動エリアと見なす場合があります。
例えば、神奈川県に住む投資家が、札幌で3~4棟を購入したケースでは、神奈川県のとある銀行で借りにくくなる場合もあります。この辺の判断は銀行によっても変わるところですが、所有物件を共同担保に入れて、その担保力を使って次を買うというときも、エリア外の物件は、基本的には担保は取れません。
そう考えると、どのエリアで買うかというのは、需給バランスと、管理できるかどうか、今後の融資、買い進めるにおいての融資との兼ね合いを考えて選ぶべきということです。
また、共同担保に入れるときには、売却時にハンディとなる可能性があり注意が必要です。
加えて、法人スキームにおいては自宅の共同担保も要注意です。詳細は割愛しますが、物件の買い進めにおいて問題となることもあるからです。
(2020年2月現在、法人スキームはほとんどの金融機関で不可能となっています。法人で購入を進める場合は金融機関をよく調査したうえで話を進めるように注意すべきです。)