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法人化の嘘「“5棟10室”になってから法人化しなさい」は嘘

法人化の嘘「“5棟10室”になってから法人化しなさい」は嘘

この記事は2016年著作の「不動産投資の嘘」をWEB記事化したものです。

 

第7章

法人化の嘘「“5棟10室”になってから法人化しなさい」は嘘

 

法人になるべき真のタイミングとは?

不動産投資の事業規模として、目安になる規模が「5棟10室」です。これは個人の確定申告で青色申告を行う際の基準となっています。

この規模になれば、「事業として認められる」ということで、これをきっかけに法人設立を検討されるサラリーマン投資家も多いようです。法人になるタイミングですが、私は、最初の1棟目購入の時点から法人化するのがいいと考えます。属性と金融機関の関係で、法人名義で使える銀行がある場合に限ります。

私自身も個人で物件を買ったことはありません。私は28歳から買っていますが、最初から法人名義です。

最初から法人で買うのには理由があります。まず個人の場合だと、譲渡時の税率が短期と長期で変わってきますが、法人であればそれが関係ありません。

また、個人の場合だと今の収入に家賃収入がオンされてしまうので、累進課税で個人の所得税がどんどん上がっていきます。個人の場合ですと、そこでの節税方法がほとんどないのです。

生命保険の所得税控除も最高で4万円です。だから100万円の生命保険に入っていたとしても、控除できる額はそれ以上増えないのです。それに比べて、法人の場合は、さまざまな節税の仕方があります。年収が高く、ある程度買い進みたい人であれば、最初から法人で購入するのをお薦めします。むしろ個人で買う必要性はないように感じます。

ただ、自分の属性や年収や残債によって、使える銀行が決まってきます。さらにその使える銀行の中で、「法人名義でもいいですよ」という銀行となると、また限られてきます。法人で融資を受けるのは、たしかにハードルが高い部分がありますが、審査に限って言えば、法人名義で可能な銀行であれば、基本的には審査は個人と一緒です。

ただ銀行によっては、個人の場合はパッケージ商品が用意されていて、築古物件など本来は借りにくい物件にも融資を出しています。一方で法人の場合は、パッケージローンではなくて、プロパーローン(案件ごとのオーダーメイド)になってしまいますので、この銀行の場合はハードルは上がります。

業者の言う通りに買ってしまったケースでいえば、いわゆる地銀のパッケージローンを個人で使い切ってしまうと買い進めるのが難しくなります。

持っている資産にもよりますが、こうなってしまえば法人として買うこともできなくなってしまう場合があります。銀行の選択肢はむしろ増える法人になると、個人にしか融資しない特定の銀行が使えなくなります。それをデメリットと感じる方もいるかもしれません。しかし、あえて特定の銀行を無理に使わなくていいのではないかというのが私の持論です。ある程度、年収が高い人というのが条件にはなりますが、メガバンクから地方銀行まで数え切れないぐらいの銀行が使えますので、特定の銀行にこだわる必要はありません。

とある銀行から融資を受けているオーナーは、「そうなのですか? この銀行でないと借りられないと言われました」と驚かれます。これも業者の嘘の一つでしょう。

特定の銀行だからオーバーローンやフルローンができて、その他の銀行では頭金1割を出さないといけないというのは思い込みです。融資スピードの速い銀行であっても、原則は頭金1割プラス諸費用が絶対に必要です。

買いたい投資家にとっては大きなチャンスですが、そうやって融資がついてしまったばかりに、本来なら買うべき物件でない物件を個人で購入してしまった話もよく聞きます。法人は一般的には、例えば3期黒字申告して初めてお金が借りられるというイメージを持たれていますが、それは実際には関係ありません。

結局、個人の資産管理会社というところの位置付けなので、銀行も個人で買うよりも法人で買った方が税金が安いとか、そのあたりの事情はわかっているので、個人の信用でお金を貸すわけです。

だから、別に不動産で実績をつくらなくても、最初から法人で買うことはできます。そこはもう、個人と一緒です。その銀行によって、法人名義がOKかどうかというのはありますが。

法人と個人で審査が違うかというと、ほとんどの銀行は何も変わりません。審査自体が個人の年収とか属性を見るので、単に名義が個人名なのか法人名なのかだけです。ただ先述したように、銀行は個人のパッケージ商品でやるケースが多いので、やはり法人はかなり敷居が高くなってしまいます。

これが知られていないのは、特定の銀行でやりたい業者が多いからではないかと思います。この銀行の特徴は、個人に対して審査スピードが速いことが利点です。販売する側からすれば、審査結果が速い方が買える可能性が高いですから、都合がいいのです。あえてそういう話もしないのではないでしょうか。

「いきなり法人は無理ですよ。まずは個人で買いましょう。法人で融資が組めるのは特定の銀行しかないです」という流れで、個人契約するのが一番彼らにとっては楽だからです。

 

どんな人が法人に向いているのか

先述した通り、一般的に法人化を考えたときに出てくるのは「事業規模」です。税務上では「5棟10室」が事業規模の目安とされています。一口に5棟といっても6室のアパートが5棟あるのか、30室のマンションが5棟あるのかで事業規模が大きく変わってくるのですが、そこにこだわって法人化するのはやめましょう。

法人化のタイミングを考えたときに、もっとも大事なことは事業規模ではなくて、その投資家の年収です。それから、どれだけ買い進めたいのかということも関わってきます。買い進めていくことを考えた場合では、資金調達は必須事項です。法人を使えばやり方によっては無限に借りられますが、個人で借りる場合では、数億円で頭打ちになります。

これまでの不動産投資家は、個人で借り切った後に、法人で買い進める方法をとっていました。そうではなくて、最初から法人にすれば、この頭打ちはありません。

また、もう一つ大事なことは、そもそも不動産投資でお金を借りられる人には、属性が良く年収の高い場合が多いです。つまり、元々の所得税率が高いわけです。サラリーマンで得ている所得に対して不動産収入が入ってくると、そこに所得税がかかってきます。

そのため、不動産投資での利益がたとえ数百万円程度であっても、個人の場合は累進課税ですから、税率がさらに高くなってしまいます。最高税率であれば半分近くが税金となります。

そうすると、多少儲かってもあまり意味がありません。そういった問題を考えた際に、法人の方が使える手が多いのです。その他、法人のメリットをいえば、「役員報酬で家族へ所得分散できること」があげられます。役員報酬に対して給与所得者控除が適用され、法人への管理費は損金となります。

また、役員退職金や生命保険を使った節税対策が可能となり、相続税発生時に土地評価の減額が可能です(サブリースと物件所有時)。最後に赤字決算となっても、欠損金の繰越ができます。これは、個人で3年間、法人で9年間と決められています。一方、法人のデメリットとしては、コストがかかることです。法人を立ち上げるためのよう、費用、毎年の法人住民税、税理士費用も個人に比べれば高くなります。しかし、普通に個人で買うことに比べると、そこを打ち消すぐ
らいのメリットがあると思います。

節税の効果も大きいですし、特に所得税の高い年収が1000万円以上いっているのであれば、個人で買うメリットはまったくないと思います。

政府は今後も、グローバルに対応するため法人税は下げていくという方向性です。一方、個人の所得税は、住民税の10
%をプラスすると、最高税率は55%になります(※住民税は所得にかかわらず10%)

 

法人をどうつくればいいのか

法人にするというのも、税金が絡むと難しく感じます。不動産投資における法人には種類があります。管理法人と所有法人です。

会社の種類
会社形態は「株式会社」「合同会社」「合名会社」「合資会社」の4種類があり、不動産投資では、「株式会社」「合同会社」が向いています。

・ 合同会社 合同会社は新会社法で新たに認められた会社形態で、少ない設立コストで済むのが特徴です。有限の間接責任を負います。

・ 株式会社 株式の引受価格を限度とする有限の間接責任を負う株主だけからなる会社。会社法改正により資本金規制が撤廃され、1人でも株式会社が設立できるようになりました。

不動産投資における会社の種類

・ 不動産管理会社 個人もしくは他の法人が所有する賃貸不動産の管理運営を行う法人。

・ 不動産所有会社 プライベートカンパニー。保有法人は資産そのものを法人で所有する個人の資産管理会社です。

法人を作る場合は、合同会社でもいいと思います。理由としては、「初期費用が低い」。ただ単純にそこだけです。基本的な考え方でいえば、不動産管理会社は、個人の賃貸部増産の管理のみを行います。

個人の賃貸業から法人へ移せる利益は、家賃収入の5~8%程度が目安とされています。サブリースでは、個人所有の不動産を法人がオーナーから満室時家賃総額の約85%から90%を目安として一括借り上げを行い、法人に収入を移行させる手法です。このあたりの判断は税理士によっても見解が変わる部分です。プライベートカンパニー―不動産所有会社を設立することで、法人スキーム、節税といった大きなメリットを得られます。

2種類の管理方式

・ 管理委託 集金業務、入居者あっせん、契約更新、トラブル対応、建物維持といった賃貸物件に係る管理業務全般を委託する。

・ サブリース 物件を一括賃借して、分割またはそのままの規模で第三者に転貸する事業形態。

 

法人化とマイナンバー

サラリーマン投資家が法人化を検討するときに、もっとも懸念されるのが「会社の副業規定に抵触するのではないか」ということです。よく質問を受けるのですが、今のところその心配はありません。

ここで簡単に説明しますと、個人に配布されるマイナンバーとは別に、法人に対しては法人番号があります。マイナンバーについては個人情報ということで取り扱いが慎重になりますが、法人番号は一般に公開されています。国税庁のサイトで簡単に検索することもできます。

ただし、ここで出てくる情報は、法人番号、法人の名称、法人の所在地の三つだけなので、法人の所在地を登記する場所さえ自宅とは変えておけば大丈夫です。

今後はこの三つだけでなくて、もっと+αになる可能性もあるのではないかと言われていますが、私は多分ないと考えています。

個人のマイナンバーというのは、かなり厳重に管理されています。そこに例えば、法人マイナンバーに代表者、代表者の住所を入れるとなると、個人情報保護の観点から大きな問題になると思います。ただ、もしこの二つが入ってくる場合は法人の特定がされやすいでしょう。

会社員や公務員が法人を持つ場合、副業規定に触れる場合もあります。そこに関しては自己責任です。副業規定を回避するやり方としては、奥さんを代表者にしている人が多いです。

なお、どこまでが副業かというと、「不動産の場合は1棟5室まで」「年間500万円を超えてはいけない」などと明確になっていることもあります。それでもやっている方は当社のお客様でも多いですが、そこはもう自己責任、自分の判
断でやるかどうか決めてください。

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