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出口戦略の嘘

出口戦略の嘘

この記事は2016年著作の「不動産投資の嘘」をWEB記事化したものです。

 

出口戦略の嘘

「2020年東京五輪まで土地価格は上がり続ける」は嘘

東京オリンピックは、あくまで経済に連動する一つの要素

不動産価格は全体に上がっていますが、一番に高騰が見られる場所といえば、やはり都心部です。日本人投資家が購入するケースもありますが、海外の投資家が買っているケースが増えています。
オリンピック効果を期待して買っている投資家がたくさんおり、不動産価格が上がり続けているのです。
話を聞いていると、オリンピックというのは一つの要素で、その効果が顕著に出ているのが都心部の地価だと思います。結局、需要と供給のバランスで、投資用の不動産物件が少ないところに買いたいというニーズが増えており、価格高騰につながっているのです。
当然、オリンピックが近づいてくれば利益確定に入ってくるでしょう。まず、外国人投資家から売却が始まるのではないかと思っています。おそらくオリンピック直前には市場に売りがどんどん出て、市場価格は下がってくるのではないでしょうか。
つまり、都心の一部では東京オリンピックまで価格が上がり続けるのではなくて、オリンピック数年前まで上がり続けるという認識の方が正しいように思えます。
外国人投資家ではなく、サラリーマン投資家のマーケットを見れば、物件が今、高騰している理由として大きいのは、融資条件が緩和されているからです。
サラリーマン投資家が増えている状況に、かつ外国人投資家も参戦して、それぞれが「買いたい、買いたい」という気持ちで殺到しています。しかし、売り物自体はそんなにありませんから、値段が高騰していくのです。
外国人投資家というのは立地を重視するため、購入地域も主に都心部です。そのため、価格が落ち着いてくるのは、その辺りからではないかと予測します。
不動産は、やはり基本的には景気に左右されるものなのです。統計を見ていると、不動産の相場は、景気の波に少し遅れて、緩やかに変動します(P104の図を参照)。
東京オリンピッもまた経済に連動している、あくまで一つの要素と捉えます。その影響が出ているのは都心であり、連動して地方の相場が下がるのかといえば、一気に下落することはないでしょう。
大事なのは融資がつきやすいかどうかということで、融資が厳しくなれば、購入できる人も少なくなり、物件価格も落ちていくのです。

編集部私見

2018年以降融資が緊張化したことにより一部を除いて物件価格は落ちています。いわゆる一等地は個人投資家が融資で購入できる範囲ではないため、融資緊張の影響を受けません。2020年から融資緩和が始まっているため、また物件価格は上がっていくものと予想されます。(それでも2018年以前のような上がり方はしないでしょう)

 

不動産の利益は出口で確定する

そもそも不動産投資というものは、出口で初めて利益が確定します。しかし、その認識を持っているオーナーが非常に少ないように私は感じます。

よく「不動産を買いさえすれば、ずっと不労所得が入ってくる」というようなイメージを持っている人がいるのですが、それは勘違いだと思います。不動産投資自体の持つスタイルは、インカムとキャピタルの2種類があり、キャピタルゲインにおいては出口が大切です。不動産投資はやはり出口を見て、なるべく短い間に利益を確定する方が、リスクは少ないのです。

ただ、現状では不動産投資はレバレッジが効かせやすい状況です。非常に融資が引きやすく、他人の資本を使って投資ができるので、ゼロからでも資産をつくりやすいと思います。

投資という面だけで考えれば、別に不動産だけではなくて、さまざまな投資があるわけです。資産を増やすという点においては、不動産投資が一番効率がよいと考えますが、安定した収益を得るというところでは、また違う投資がいいのではないかと思います。

なぜかといえば、不動産は不確定な市場で、流動性が低いからです。投資の種類と特性についての詳細は第10章で解説しています。
不動産投資で貯まったお金があれば、例えば5000万円程度のキャッシュができたときには、それをファンドや金融商品などで年間7~9%程度で運用して収入を得るといった投資手法も取り入れていくのが好ましいと考えます。

 

数字で見る不動産投資の収益シミュレーション

まずは不動産投資における基本的なスキームを、簡単にシミュレーションしてみましょう。
図表では、数字をわかりやすくするために税金や諸費用を除外していますが、本来は全部含めて収支シミュレーションをしてください。
売買にかかる税金は意外とバカにならないほど大きいですし、その人のポジションによって所得税率も変わりますので気を付けてください。

不動産投資というのは、他人の資本を使って投資できるところに利点があります。 例えば、1000万円の収益物件で、利回り10%のものがあったとします。それを全額自己資金で購入した場合、CCR(自己資本利益率)は10%になります(Aパターン)。
一方で銀行から900万円を借りて、100万円の自己資金を投入するとします(Bパターン)。得られる利益は、自己資本と他人資本に分配されます。そうすると自己資本で得たお金が10万円、他人資本で得たお金が90万円で、年間家賃収入が合計100万円になります。

そこから他人資本で稼いだ収入90万円で、借りているお金を返済しなければいけません。例えば返済が月40万円だとすると、利益90万-40万で、残りの50万円が手残りになります。
そこに自己資本分の利益10万円を足して、合計60万円がキャッシュフローになります。つまり自己資金100万円で60万円のキャッシュフローを得られる計算なので、CCRは60%になります。

CCR(自己資本利益率)とは

自分の資本に対してどのくらい利益がでているかの割合。CCRが高いほど少ない自己資本で高い利益を生み出していることになる。不動産投資は家賃収入と借入返済によって、自己資本が増えて他人の資本が減るため、CCRは低下していく。レバレッジを活かして”効率的”な投資はCCRが高く維持されている。(編集部)

 

 

不動産投資における出口の考え方

最終的な出口まで考えると、シミュレーションはどうなるでしょうか。 先ほどの1000万円の物件で、他人資本が900万円、自己資金100万円を出します(Cパターン)。
借りたお金の返済が約120万円で、返済期間は8年とします。前述と同じく他人資本の利益が90万円で、自己資本の利益が10万円になりますが、120万円の返済があります。
そうすると20万円のマイナスになってしまいます。この数字だけを見ると、誰もがこれは投資として失敗だと思うでしょう。

ただし、8年後には他人資本の返済が終わります。例えば、8年後に800万円で物件を売却するとします(C’パターン)。
返済8年でキャッシュフローが160万円のマイナスですから、最終利益は640万円のプラスになります。つまり自己資本100万円の投資で8年赤字続きでも、8年後になると640万円の利益が出るのです。

これが出口を見据えた投資のシナリオです。まさに不動産投資の醍醐味ともいえる部分だと思います。この考え方をしっかり理解して、出口まで見えているかどうかが勝敗の分かれ目になるのです。
投資家であれば、買うときに出口まで想定しておくべきです。しかし、物件を持っていても「出口がわからない」という人は意外と多いのです。不動産投資をかなり甘く見ていると言わざるを得ません。

将来の市況は誰にもわかりませんが、今建っている建物が10年後に築10年となることは決まっています。現状の利回りを基準にいくつかシミュレーションをして、購入前に出口を考えておくことが大切です。
出口を見ながら購入し運営をして、売却によって利益確定をするときに、次の物件をどうするかという問題があります。
銀行からすれば、お金を借りてもらいたいという本音があります。しかし、個人名義で購入する場合には借入限度額の問題もあります。それが法人スキームであれば、その縛りはありません。
つまり、個人のケースでは、既存の借入の状況により売却後の再投資が難しいこともあるのです。資産の組み替えはそういったことも考えて行いましょう。

 

購入時から出口を見据える

買った瞬間から出口を見るというのは、絶対必要なことです。例えば、出口を10年で見るといっても、10年後の経済状況は誰もわかりません。もう少し短ければ、大体予測はつくのかもしれませんが、せいぜい数年後といったところでしょう。
そのため、出口をシミュレーションするときには、「この物件が、あと10年築年数が経ったとき、今の市場であればどのくらいの価格で売れるか?」ということを1回考えてみることが大切です。

現状の相場で10年後、つまり築10年をプラスした築年数で計算します。ポータルサイトで検索すればどれくらいの相場(利回り)で出ているかが誰でも把握できます。そこを基準に悪かった場合、良かった場合で試算するのです。現状の景気によっては悪いパターンを二つにしても良いでしょう。
例えば、現状、市場としては過去と比較してもいい状態だというのであれば、もう1段階下げて悪い状況でのシミュレーションをつくって試算してみて「この辺りでいければいい」というラインを決めておきます。

そして期間10年を設定したのであれば、ちょっと前(6年、7年目ぐらい)から、きちんと市場を見ながら、今はどういった状態なのかを把握しながら、自分が定めたところで売却できれば一番いいと思います。
10年であれば、プラスマイナス3年ぐらいでチェックします。10年後の売却を想定しているのであれば、7年目から13年目で自分が想定している相場のときに売却するかどうかの判断を行いましょう。6年の期間があれば景気の波もある程度変わっているので、想定どおりに行く確率も高くなります。

もちろん、設定はしていても、ずっと市況を見て売却時期は今ではないと思ったら、所有し続けるのも良いでしょう。その場合も、この後に説明する転売時の融資にも気を付けて、再度設定してみることをお薦めします。

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