旅館と簡易宿所の違い
旅館営業をするための条件は「原則として5部屋以上の客室とそれに伴う店員を必要とすること」とされています。その基準に達しない場合は、簡易宿泊所に該当します。簡易宿泊所営業を行うためには、都道府県知事(保健所を設置する市又は特別区では市長又は区長)の許可を受ける必要があります。
簡易宿所の条件
簡易宿泊所営業をする施設には、構造設備の基準が旅館業法施行条例で以下のように定められています。
①客室の延床面積は、33平方メートル以上であること
②階層式寝台を有する場合には、上段と下段の間隔は、おおむね1メートル以上であること
③適当な換気、採光、照明、防湿及び排水の設備を有すること
④当該施設に近接して公衆浴場がある等入浴に支障をきたさないと認められる場合を除き、宿泊者の需要を満たすことができる規模の入浴設備を有すること
⑤宿泊者の需要を満たすことができる適当な規模の洗面設備を有すること
⑥適当な数の便所を有すること
⑦その他都道府県が条例で定める構造設備の基準に適合すること
この中で、⑦の条例が各行政によって変わってくる部分となります。そのため管轄の保健所より「旅館業の手引き」など条例が記載された手引きを手に入れて、正確な情報を得る必要があります。
また、2016年4月1日より旅館業法の運用緩和(旅館業法施行令の一部改正、簡易宿所営業における玄関帳場に関する通知の見直し)がされました。
今回の規制緩和では、以下の緩和がありました。
- 面積要件の緩和
一律で33平米以上の広さが必要であったが、宿泊客が10人未満の場合に関しては、1人あたり3.3平米以上に改正
- 従来、簡易宿所型民泊で必要であった帳場(フロント)が、条件によって不要になった
しかし、実際には行政による上乗せ条例があるため、いくら法律で「帳場は不要」としても、行政の条例で「帳場が必要」と指定されれば、フロントの設置されていない簡易宿所の営業許可はとることができません。
事実、台東区では「営業時間内に従業員を常駐」、「フロント設置は必須(玄関帳場その他これに類する設備を有する)」といった厳格化の方向に進んでいます。