積算評価の調べ方
積算評価は「路線価」という国が定めた土地と建物の価値基準をもとに算出する評価方法のことです。
相続税の計算や銀行融資の基準になったりと、不動産の話をするとよく出てきます。
今回は、不動産屋以外の人でも積算評価を算出する方法を解説します。
積算評価に使うツールの紹介
① 全国地価マップ
積算評価の元となる「路線価」は国税庁が発表しています。
(リンク 財産評価基準書|国税庁)
ですが、国税庁の路線価図は住所をコピペして検索できず、ちょっと隣の地図見ようと思っても紙の境界だったりと使いにくいです。
そこで一般の方でも利用しやすいのは「全国地価マップ」というサイトです。
住所をコピペで検索できるので非常に便利です。
次項で使い方を解説します。
② Google map
グーグルマップの距離測定機能を使うことでおおよその土地面積を求めることができます。
地図をなぞるだけで複雑な面積も求められるので非常に便利です。
③ 積算評価計算|不動産投資プレミアム
不動産投資向けのサイトなのですが、この積算評価計算機が便利で、投資以外の人にも使われています。
特に建物の積算評価は「木造は耐用年数22年・・・軽鉄19年・・・」など覚えたくない人もいますが、
この計算機はとにかく知ってる情報を埋めれば勝手に計算してくれるので便利です。
この3つを使えばだれでも目的の不動産の積算評価を調べることができます。
全国地価マップの使い方
弊社 横浜本社を例に実際に計算してみましょう。
神奈川県横浜市中区尾上町6-87-1
住所をコピーして、全国地価マップにアクセスします。
今回は「相続税路線価」を見てみましょう。
固定資産税を調べる際は「固定資産税路線価」を使用しますが、後から切り替えることもできます。
左上の検索欄に先ほどコピーした住所を貼り付けて検索します。
すると検索住所の候補がでてくるので目的の住所を選びましょう。
今回は1件だけヒットしたのでこれを選択します。
地図中央に「+」マークがあります。
このポイントが検索した場所です。
見にくい場合は左のバーを+、-することで拡大率を変更できます。
地図の上にはいくつかタブがあり、「固定」「相続」「公示等」を切り替えることができます。
また、4年前まで見れるので、ここ4年間で地価が上がったのか下がったのか見ることもできます。
さて、横浜本社はこの細い長方形の小さいビルです。
この建物が接している道路には 〇730B と書いてあります。
これが「路線価」です。
前の数字が 価格730千円/㎡(1平方メートルあたり73万円) を示しています。
後ろの B は「借地権割合」といい、「誰かに貸している時は自分で使えないわけだからちょっと税金下げとくね」という割合を示しています。
Aが90% Bが80% Cが70% ・・・ と定められています。
ここでは
路線価 730千円/㎡
を記録しておきましょう。
※路線価が表示されない場合
路線価は全国すべてに設定されているわけではなく、田畑や山林の多い地域には設定されていません。
その場合は「倍率地域」という調べ方をします。
Google mapでの面積の調べ方
皆さんおなじみのGoogle mapです。
早速開いて、先ほどの住所を入力しましょう。
住所:〒231-0015 神奈川県横浜市中区尾上町6丁目87−1 ダイムラービル
弊社のビルは細い長方形です。
このビルのフチに合わせて右クリックし、「距離を測定」をクリックします。
ビルの四隅をポチポチと左クリックしていき、最後は開始点に重なるようにクリックします。
すると画面下に面積を表示してくれます。
今回は89.29㎡となりました。
実際は90ちょっとあるのですが、ざっくり求めるには十分でしょう。
この数字も記録しておきます。
積算評価計算機の使い方
積算評価計算|不動産プレミアム にアクセスします。
さっそく項目を入力してみましょう。
建物延床面積 : 建物の床面積です。今回は89㎡×9階建て=801㎡として計算してみます。
建築工法 : RC(鉄筋コンクリート造)
築年数 : 築30年
敷地面積 : 89.29 平米(㎡)
路線価 : 730(千円)
最後に「計算する」をクリックすると結果が表示されます。
この数値が「積算評価」です。
おわりに&注意点
今回は弊社横浜本社を例に積算評価を求めてみました。
積算評価はその不動産の所有者でなくても、誰でも簡単に不動産の評価を調べることができるので
公平性の高い評価基準の一つとして広く採用されています。
ただし、注意して頂きたいのが
積算評価(≒課税評価額) ≠ 不動産の真の価値
ということです。
この計算はあくまで評価基準の一つにすぎず、実際に売買する際もこの金額とは限りません。
例えば都内のマンションならば積算評価の3倍~4倍の価格で売買されていることもありますし、
売買需要の少ないところでは積算評価額より売買価格のほうが安い(「積算オーバー」といったりします)こともあります。
実際に皆さんが売買するときに知りたいのは「売買価格(=真の価値)」だと思います。
売買価格は不動産屋によって基準が異なるので、実際に見てもらうほかありません。
もちろん弊社でも買取や紹介をしていますので一度ご相談ください。
今回は積算評価の調べ方を解説しました。
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