倍率地域の調べ方
倍率地域とは、宅地以外の土地(田畑や山林など)を評価する場合に固定資産税評価額にいくらかけるか定められた地域のことです。
今回は「固定資産税評価証明書」を持っていれば誰でもざっくり評価額を調べられる方法をご紹介します。
(評価証明書を持たない場合は調べることができません。また、評価証明書はその土地の所有者や借地権者などしか取得できません。)
倍率地域とは
相続税・贈与税などの土地の評価は上図のようになっています。
ほとんどの宅地は路線価が設定されているので、まずは下の参考記事で路線価を調べてみるのがいいでしょう。
路線価が出てこない場合にこの倍率地域を見ます。
倍率地域の調べ方
まずはここで目的の土地の倍率を調べます。
② 固定資産税評価証明書
各都道府県市区町村から4月ごろに送られてきます。
この証明書が無いと調べられません。
持っていない、無くした人は市区町村の役場から有料(300円)で再発行してもらうことができます。
倍率表の見方
まずは国税庁の財産評価基準書にアクセスします。
今回は例として神奈川県のある地域を見てみましょう。
(この場所を選んだことに意味はありません。著者の出身地が近かっただけです。)
「神奈川県」を選択します。
「評価倍率表」の
「一般の土地等用」を選択します。
例として「横浜市 緑区」を選択します。
まずは「市街化区域」を見てみます。
市街化区域とは「これから住宅やビルを建てていきましょうね」と決められた地域のことです。
この区域はほとんど全ての道路に路線価が設定されています。
今回は「路線」と書いてありますね。
これは「路線価図を見て計算してください。」という意味です。
その右の田、畑、山林、原野には「比準」と書いてあります。
比準は「宅地の評価と同じ」という意味です。
借地権割合も書いていない場合は路線価図のとおりです。
路線価が設定されていない場合などはこのように数字が書いてあります。
固定資産税評価証明書に書いてある「固定資産税価格(評価額)」にこの数字をかけ算することで求められます。
証明書の見方については後述します。
今回はこの数字を記録しておきましょう。
固定資産税評価証明書の見方
固定資産税評価証明書:毎年4月ごろに自宅に送られてきます。
→持っていない場合 各都道府県の市区町村役場で再発行してもらうことができます(300円くらい)。
→その土地の関係者でない場合 固定資産税評価を確認することができません。周辺の評価額を参考にしてください。
(引用:固定資産税・都市計画税の課税明細書をご覧下さい!|横浜市)]
※証明書のかたちは各市区町村によって異なります。「価格(評価額)」と書かれていることが多いです。
今回見るのは「現況地目」「価格」です。
価格と言ってますが「売買価格」ではなく、「税金の評価額」ですのでご注意ください。
現況地目が「山林」ならばさっきの倍率表の「山林」の倍率を見るわけです。
例えば、
現況地目:田
価格:50,000円
倍率:純 48
ならば
50,000円 × 48 = 240,000円
と計算することができます。
宅地についても「1.1」となっている場合は 価格×1.1 します。
おわりに
今回は倍率地域の調べ方について紹介しました。
前回の路線価を使った積算評価と違い、倍率地域は他人が調べることができません。
近くの路線価を見比べたり、公示価格から想像することしかできません。
相続税・不動産の相談をされる場合は必ず「固定資産税評価証明書」を持っていくようにしましょう。
無くした場合でも所有者本人または代理人であれば取得できるので、そのことをお伝えください。
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