『投資の神様も大失敗する』
世界長者番付の1位から3位の間を長年、常に名前を連ねている、かの有名なウォーレンバフェットが最近語っていた話ですが、一代で何十兆円も資産を築き上げたわけですから当然、その道のプロと呼ばれるはずですがそんな達人でも大失敗はすることがあるという話です。
バフェットが所有する持ち株会社のバークシャー・ハサウェイは超がつく有名な会社ではありますが、この会社は当初、紡績会社でした。バフェットの本を昔、読み漁りましたが、この会社への投資は失敗だったと記載されています。事業の構造上、どんなに競合を退けシェアを拡げても、利益を出すのが難しい業種というものがあることを理解したそうです。
先日の話でも、世界一の投資会社に育て上げたバークシャー・ハサウェイの買収そのものを、バフェット自身が「大失敗」と評価していると書いてありました。
結局、紡績事業に限界を感じて投資会社へ事業転換し、現在へ至ってます。バークシャーの現在の状態だけ見れば大成功に見えますが、初期段階では失敗だったのです。その他では米靴製造会社やエネルギー株式会社へ投資し、失敗したことを語っています。投資において一時の感情に流されないことは非常に重要なファクターであり、感情の抑制についての重要性についても語っています。
買い時は‟欲しい”と思った時ではない
‟欲しい”と思った時が買い時ではないのです。投資とは似て非なるものですが買い物についても、いわゆる衝動買い、というのはその時に非常に欲しいという強い欲求から生まれる行動です。この感情の抑制が出来ない人は、買っても一度も着てない服がタンスに大量にあったり、時間が経つと存在も忘れてしまうくらい手に入れた物への執着心が薄れたりするわけです。無駄遣いを減らす、貯蓄をする秘訣は、その“欲しい”という強い欲求に抗い、敢えてその時には買わず1か月後や半年後にまだ欲しいと思っていたらそれは本当に欲しいものなので買うようにする、といったようなコントロールをすることらしいです。この行動に当てはめると、大抵の物は非常に興味関心が薄れているそうです。バフェットはこのエネルギー会社への投資は原油価格が高騰している局面で、将来もバラ色の展望がうかがえたと高値掴みしたそうです。
成功者になるには
これは完全に市場の雰囲気に流された結果と自負しているとのことです。また、投資のプロだからと言って常に正しい訳ではない、やはり人間なので失敗することはプロといえどしばしばあるという教訓でもあります。
この記事を読んでいて素晴らしいと感じたことは、失敗の原因をきちんと究明し、自身の過ちを認めているところがやはり成功者である所以と感じました。
同じ投資という意味で我々のように不動産を扱う者たちにも通ずることは非常にたくさんありますが、常に市場全体の局面や投資対象である物件そのものを、感情に流されることなく注意深く観察し、市場の成り行きに身を任せずきちんとした指標や信念に基づいて投資の判断を下すことの重要性を再認識させられ、素直さというのは成功するための要素とよく言いますが、先人の話に素直に耳を傾けることと、盲目的になり依頼や依存し過ぎることは逆に失敗に繋がるということも改めて感じた日この頃でした。
このバランスをうまく取らなければいけないのですね。